自我はすぐ「しよう」とするんですね、何かをね。
「恐れはいらない」と思ったら、
恐れを「取ろう」「取ろう」とし始めるわけです。
ここで知識として「恐れはいらないんだ」って分かったら、
自我は知識を使って、それを取ろうとし始めます。
ところがですね、よくできてます。
これ、パラドックスなんです、この世界は。
だから、自我が取ろうとすると、取れないんです。
もういっぺん言いますよ。
取ろうとするものは、取れないんですよ。
自我のやろうとすることは、上手くいかない。
今日、絶対、これだけしっかり頭に入れて。
自我がやろうとすることは、上手くいかない。
これがまた、難しさでもあるんですね。
すぐ自我が出てきます。
すぐ、「じゃあ、どうすればいいか?」って聞いて、
それをしようとするわけです。
でも、なかなかそれ、上手くいかないんです。
で、恐れがここに来たら、
取ろうとしたら育ててしまうんです。
だから、自分のその反応に気づく必要があるんですね。
ただ、恐れが来た。
「ああ、来た来た来た」って見てる分には、消えていくんです。
「あ、やだやだ。何とかしなきゃ。
あ、そうだ。津留さん、ああ言ってたから、これ取ろう。
あ、見ればいいって言ってたから、ようし。」
これ、取ろうとしてますから、、
そこで、ちょっとそのクセが直るまで、
まず私が勧めるのは、自分に気づくことを勧めるわけです。
「何とかしよう」とするんじゃなくて、
すぐ何かしようとしますから、
そうしたら、すぐそれに気づく。
だから、気づくことに意識を向けていくんです。
気づこうとするんです。
常に自分に気づく。
何かをしようとする自分にだけじゃなくて、すべて。
いわゆる、自分に見張り番を立てる、っていうことです。
どうしてかっていうと、
私たちの意識は、いつも他人方向に向いています。
外側に向いているんです。
目が外側に向いているから。
これは、ただ観察してるだけなんです、外の世界を。
ただ観察してるだけなんです。
観察してる対象を変えようとしてるわけなんですね、
人間というのは。
ただ観察してるだけだから、観察して、当面、観察して、
何かが起きると パッ と自分の中に反応が来ます。
ポッ と波打ったり、
「またぁ~」とか、
いろんな反応が来ます。
その、自分の中に生起する、その反応に気づく努力をするんです。
最初はまず気づくことだけ。
見張り番を立てる。
それのやり方として、私が勧めてるのは、
呼吸に意識を向けてください、って言ってるんです。
呼吸に意識が向けてたら、
ピッ と こう 反応した瞬間が分かるようになります。
呼吸に意識を向けてると、ちゃんと向いていれば、
自分の中の反応が、すぐに分かります。
ところが、意識が外に向いてると、自分の中の反応に気づかない。
津留晃一 講演会DVD『 幸せテクニック講座10 』 より