2017年3月22日水曜日

2017ハワイ旅行4 オアフ島2 ダイヤモンドヘッド


 「アサイーボウル」を手に、
 ワイキキビーチから、ホテルに戻り、
 フロントで、チェックインをしました。
 
 チェックインは、無事に、済みました。
 最後に、フロントの女性が、こう言って、
 カードキーを渡してくれました。
 
  「お部屋は、アップグレードしてあります。」
 
 手元の、部屋番号を見ると、
 4桁の数字の前に、丸で囲んだ " PH " が、書かれています。
 
  「エレベーターのボタンは、最上階を押してください。
   それでは、宿泊をお楽しみください」
 
 そう、続けました。
 
 久々の英語ということもあり、
 必要最低限しか、聞き取れなかったのでしょう。
 
 今ひとつ、状況を正確につかめぬまま、
 とにかく、エレベーターに乗り込みました。
 
  「最上階って、一番いいところ?」
 
 僕が尋ねると、
 裕子さんが、言いました。
 
  「そうでしょうね、
   だって、『ペントハウス』って、言ってたもんね」
 
 と、笑顔です。
 
  あぁ〜、そうなんだ、
   " PH " って、 " Pent House " の略なんだ。
 
   えっ
   って、ことは、
   やっぱり、聞き間違いじゃないんだ。
   
   『アップグレード』してくれて、
   『最上階』の部屋なんだ!
 
  カードキーに記されたとおりの、ドアの前に立つと、
  当然ながら、キーで、ドアが、開きます。
 
  その向こうには、
  予約した部屋の2.5倍は、ありそうな、
  想定を遥かに超えた、広〜い空間が、ありました。
 
  そして、なにより。
  部屋の外に、ベランダ(ハワイ風だと「ラナイ(Lanai)」)があり、
  そこからは、
  ダイヤモンドヘッドと、公園、そして海が、一望できます!
 

 
   「えぇ〜! すごぉーい ^^ 」
 
  大人二人は、大興奮で、
  ラナイに飛び出し、
 
   「ここが、動物園だね。
    その先の公園、素敵そうだね。
    後で、行こうか。
    あっちが、さっき居た海だね ... 」
 
  高位からの絶景に、
  とどまることなく出てくる言葉を、吐き出しているのですが、
  ところが、その間、
  子どもたちが、出てきません。
 
  振り返り、部屋の中を見てみると、
  二人とも、ベッドに横たわって、
  もう半分、寝入っています。
 
  長いフライトの後に、
  海での水泳・水遊び。
  疲れていて、当然でした。
 
   「シャワーだけでいいから、浴びなさい」
 
  無理に、引きずり起こして、
  どうにか、海水を流し落としましたが、
  それ以上のことは、無理でした。
 
  そのまま、寝落ちてしまいました。
 
 
  改めて、ラナイに出て、
  アサイーボウルを頬張りながら、
  正面の、ダイヤモンドヘッドを見つめていると、
  僕は、特別な感慨にふけ入りました。


  知っていた、思っていた、
  何倍も、何十倍も、
  ダイヤモンドヘッドは、素敵に見えました。
 
  素晴らしく、素敵でした。
 
  今すぐに、登りに行きたくなりました。
 
  急ぎ、身支度を整え、
  1階まで降りて行くと、
  フロント前で、先ほどのスタッフが、声をかけてくれます。
 
   「お出かけですか?」
 
   「えぇ、ダイヤモンドヘッドに行こうと思って ... 」
 
  僕が、そう答えるや否や、
  思わぬ言葉が、返ってきました。
 
   「でも、もう、閉まってますよ」
 
   ガッビーン!!
   そうなんだ、もう、閉まっちゃったんだ、行けないんだ ...
 
  頭の中を、
  ショックを受けた、エゴちゃんの嘆き声が、こだまします。
 
   「まぁ、今回は、
    ダイヤモンドヘッドには、登らず(入らず)に、
    外から、じっくりと、拝ませていただきましょう」
 
  裕子さんの、その言葉に、
  どうにか、我に返りました。
 
  残念ですが、仕方ありません。
  気を取り直して、
  そのまま、近くまで、見に行くことにしました。
 
 
  ホテルの前の道を渡った先、
  ホノルル動物園の敷地には、
  まず、大きな、モンキーポッド(Monkey pod)の樹がありました。


 
  「この〜樹、なんの樹、気になる樹 ... 」ですね。
 
  「ハワイと言えば ... 」の、おなじみの樹で、
  その後も、ハワイ各地で、大木を、目にすることができました。
 
  ここで、最初の、モンキーポッドにご挨拶して以来、
  僕は、この樹のことが、大好きになりました。
 
  和名「アメリカネムノキ」。
  ネムノキの、一種なんですね。
 
  日本のネムノキも、大好きで、
  田舎暮らしをしていたときにも、家に、大きな樹がありましたので、
  納得がいきました。
 
  この樹も、日本のもののように、
  素敵な花を、咲かせるのかなぁ。
 
 
  また、もう一つの、「ハワイと言えば ... 」の樹、
  バニヤンツリー(Banyan Tree)にも、
  ここで、出会い、ご挨拶ができました。

(僕が、まるで「こびと」に見えますね!)

  和名「ベンガルボダイジュ」、
  クワ科イチジク属で、
  沖縄の「ガジュマル」とは、近種のようです。
 
  横に広く張った枝から、無数に垂れ落ちているのは、
  どうやら、「気根」と呼ばれる、根っこで、
  それが、この樹独特の、存在感を醸し出す要因となっています。
 
  この樹にも、他の場所で、何度か、遭遇しますが、
  ハワイ島ヒロの、バニヤン・ドライブ (Banyan Drive)に並んだ、
  バニヤンツリーたちも、圧倒的な存在感を放っていました。
 
 
  さて、
  この、ワイキキ動物園前の敷地には、
  もう一つ、興味深いものがありました。
 
  マハトマ・ガンジーの像です。
 
  頭の形だけは、似ていることを理由に、
  (勝手に)お許しいただいて、写真を撮らせていただきました。


 
 
  さ、ワイキキ動物園を越えて、道を渡ると、
  広く、開けた場所が現れます。
 
  カピオラニ公園(Queen Kapiʻolani Regional Park)です。
 
  ワイキキは、ビルが林立し、
  ワイキキ動物園も、樹々が林立しているので、
  ここに来ると、突然、開けます。
 
  そして、その、広く開けたスペースを挟んで、
  ダイヤモンドヘッドが、全容を見せてくれます。
 
  ここから、望みどおりに、
  ダイヤモンドヘッドを、拝むことができました。


 
  ホテルの部屋から眺めたときと、まったく変わらぬ印象で、
  僕は、一目で、この山の、虜(とりこ)になりました。
 
  僕は、この山は、
  あるいは、この一帯は、
  昔から変わらず、とても澄んだ、パワーあふれる場所なのだと、
  そんな印象を持ちました。
 
  ダイヤモンドヘッドからは、
  爽やか、かつ、とても力強いエネルギーを、いただいたと感じています。
 
  肉体を持って、その光景を目にできたことに、
  その空間に、身を置けたことに、
  強い喜びが、湧き上がりました。


 
  またぜひ、同じ場所に、身を置いて、
  もっとゆっくりと、この場所の周波数を感じてみたいと、思いました。
 
  そして、その際には、
  今度こそは、登ってみたいと、思っています。
 
 
  カピオラニ公園では、
  ダイヤモンドヘッドと間近に対峙できた、その嬉しさから、
  旅の興奮を、一度、さらに高めましたが、
 
  そのおかげで、
  結果、こころを沈めることができました。
 
  ゆったりとした気持ちで、
  ハワイにいることを、ホノルルにいることを、
  改めて、味わうこころ持ちになりました。
 
  この日、立春、土曜日の、夕方。
 
  公園では、バーベキューを楽しんだり、
  テニスを楽しんだり、ただくつろいだり、
  人々が、ゆったりと、時を過ごしていました。
 
  その人たちに、同調するように、
  一段、落ち着いたこころ持ちで、
  再び歩き出すと、
 
  周りとの境が、希薄になって行くように、
  周りと溶け合い、混ざり行くように、感じられました。
 
  ハワイに、馴染めた気がしました。
 
 
  カピオラニ公園から、
  再び、道を渡って、
  海岸に出ました。
 
  そこは、
  先ほどの、ワイキキビーチとは対照的に、
  公園に面した、砂浜で、
 
  人の数も少なく、
  静かで、落ち着いていました。


 
  夕日が、真正面の海の上に浮かび、
  そして、今にも、沈み行きそうでした。
 
  人々は、思い思いに、
  その様子を、ただ、眺めていました。



 
  都市的な、ホノルルにあって、
  しかし、自分が、自然の一部であることを、
  周りのみなといっしょに、体感していました。
 
 
  部屋に戻ると、
  先ほどの海辺も、
  ダイヤモンドヘッドも、
 
  すっかりと、夜のとばりにつつまれて、
  長かった一日が、終わろうとしていました。



 
  僕たちは、
  もう、40時間近くも、
  2月4日立春を、過ごしていました。
 
  ただでさえ、密度の濃い時間が、
  実際に、長時間、流れて行きました。
 
  人生における、特別な一日を、
  ダイヤモンドヘッドを、ベッドに横たわり、眺めながら、
  終えていきました。