2016年11月13日日曜日

2016アメリカ旅行18 シャスタ1日目 ハートレイク前編


 キャッスルレイクで、
 存分に泳ぎ、遊んだ後、
 
 僕たちは、
 急ぎ、着替え、
 次の準備をしました。
 
 
 マウントシャスタの1日目に、
 キャッスルレイクに来たのには、
 理由がありました。
 
 その、半分は、
 キャッスルレイクで、遊ぶ(泳ぐ)ため。
 
 日本で、マウントシャスタについて調べている時から、
 美しい、キャッスルレイクで遊ぶことを、
 とても楽しみにしていました。
 
 なので、
 まず、1日目に、最初の日に、
 それをしたいと、思いました。
 
 期待どおり、
 いえ、期待以上に、
 楽しく、素晴らしい体験でした。
 
 それは、終わりました。
 
 
 そして、
 残り半分、
 いえ、それ以上の、
 一番の理由は、
 
 ハートレイク( Heart Lake )へ、行くためです。
 
 裕子さんと僕は、
 ハートレイクを訪れることを、
 マウントシャスタでの、一番の楽しみにしていました。
 
 
 検索サイトで、日本語で、
 シャスタのことを調べられると、
 おそらく、必ず、
 「ハートレイク」のことが、上位ヒットすると思います。
 
 スピリチュアルな、聖地とされる、
 マウントシャスタにおいても、
 ハートレイクは、
 特別な場所の一つとして、採り上げられています。
 
 また、
 ハートレイクは、
 その道程に、標識などが無くて、見つけづらく、
 
 そんなことから、
  「こころ・ハートの綺麗な人でないと、
   たどり着けない」
 などとも、
 言われているようで(!)、
 
 そんな情報等などから、
 とても興味をそそられいて、
  「絶対に、行きたい!」
 と、
 とても楽しみにしていました。
 
 
 ハートレイクは、
 キャッスルレイクの南、
 高度的には、「上」にあり、
 
 キャッスルレイクから、
 歩いて、登って行くことになります。
 
 その、だいたいの情報は、
 どこにでも、書かれています。
 
 セドナのバーシングケーブのときに比べれば、
 情報は、たくさんあるし、
 範囲が狭くて、おおよその場所も、絞り込みやすいです。
 
 しかも、今回は、
 地図も、手に入れていました!
 
  「行きさえすれば、たどり着けるだろう」
 比較的、楽観的に、
 いえ、かなり楽観的に、
 とらえていました。
 
 ただ、
 僕の、
  『こころの綺麗さ』
 だけが、
 気がかりでした。
 
 
 車の陰で、着替えを済ませた、
 僕らは、
 
 駐車スペースを抜けて、
 そのまま、まっすぐに進み、
 キャッスルレイクの北岸を、
 突き当たりまで、進みます。
 
 そこから、
 左手、北方向に、
 道が始まります。


 
 ここからが、
 ハートレイクに向かう、
 トレッキングルートの、スタートです。
 
 小川を超え、
 道は、すぐに、右手(東)に折れます。
 
 同時に、
 林間を進むことになります。


 
 そして、
 徐々に、勾配が現れ、
 登り道になっていきます。


 
 この間、
 ほぼ、キャッスルレイクの湖岸に沿った感じで、
 
 段々と、南東に向いていきながら、
 キャッスルレイクから、離れていきます。


 
 勾配は、きつくなり、
 しっかりとした、登りになっていきます。
 
 歩きはじめから、
 おおよそ、20分ほどで、
 下の写真のように、
 開けた登り坂に入っていきます。


 
 ここが、ポイントです。
 
 気をつけて見ていると、
 小さな石が積まれた、
 目印である「ケルン」が、
 道の「右手」に、あります。
 
 ここを、右に、
 開けた斜面側に、登っていきます。
 
 それが、正解です。
 
 
 はじめ、
 僕たちは、
 ちゃんと、そこを、右折し、
 斜面に入っていきました。
 
 ところが、
 斜面に入った後は、
 道が、とても細く、
 見づらくなります。
 
 どこが道なのか、
 分かりづらく、
 いくつもの道があるように見えてしまい、
 
 そして、それがどう続いているのか、
 はっきりと、していません。
 
 それが、
  「たどり着くのが難しい」
 原因でした。
 
 迷ったときには、
 「右側」「右側」と、
 選んでいくのが、正解でした。
 
 キャッスルレイクの「南へ」「南へ」と、
 進んでいくのが、正解でした。
 
 そうすれば、
 自然と、
 ハートレイクに、たどり着けます。
 
 ところが、
 そのとき、
 
 僕は、
 「左側」「左側」へと、
 「東へ」「東へ」と、
 進んでいってしまいました。
 
 手にした地図を見る限りでは、
 今いる場所から、地図どおりに進むには、
 「左側」へと進むのが正しいと、
 そのときは、そう、感じてしまったのです。
 
 地図を持っているからこそ、
 かえって、自信を持ってしまい、
 それで合っているはずと、
 思い込んでしまいました。
 
 それが、失敗でした。
 
 やがて、道は、消え去り、
 そこで、僕一人で、
 方々を、探索してみることにしました。
 
 無理やり進むと、尾根に出ましたが、
 でも、そこから眺めても、
 ハートレイクは、見えません。
 
 それらしき道も、見当たりません。
 
 他に歩いている人も、見えません。
 
 しかたなく、
 来た道を、引き返すことにしました。
 
 
 ケルンのあった、
 道を曲がったポイントまでは、
 戻ることができました。
 
 そのとき、
 先に戻っていた、末の娘が、
 その道を、そのまま進んだ方向に、
 先に、進んでいました。
 
 そして、
  「こっちの方向じゃない?
   まだ、道が続いてるよ」
 と、言いました。
 
 先ほど、
 地図を見て、その方向に進んだ結果、
 行き詰まってしまった、自分としては、
 
 他人の意見が、
 正しいように、感じてしまいました。
 
 そう感じて、
 その上で、改めて、地図を見ると、
 確かに、そのようにも思えてきました。
 

 そこで、
 まず、僕一人が、
 先の様子を見てくることにしました。
 
 子どもたちは、
 登り坂で、疲れてしまっていたので、
 そこで、休んで待っていることにしました。
 
 一人、道を進むと、
 その道は、かなり先まで、続いていました。
 
 すぐに、下りになり、
 その下りが、しばらく、進んでいました。
 
 今になってみると、
 そのとき、冷静に地図を見れば、
 「下っている」のは、おかしいと、気づけたはずです。
 
 でも、そのときには、
 先ほどの選択が、間違っていたことに、気をとられていて、
 きっと、この先に、あるに違いないと、思い込んでいました。
 
 かなりの距離を進んだ結果、
 道は、やがて、平坦になり、
 その先に、花がたくさん咲いている草原が見られ、
 そして、その先に、水面が見えました。
 
  「やった! あった!」
 
 みんなを待たせていることが、気になって、
 ろくに確認もせずに、
 すぐに、みなの元に戻りました。
 
  「あったよ! 行こう!!」
 
 みなを引き連れ、
 もう一度、そこに向かいました。
 
 
 この下り坂は、かなりの勾配で、
 子どもたちには、たいへんでした。
 
 でも、
 ハートレイクが見つかったと思い込んでいたので、
 みな、大喜びで、進んでいました。
 
 そして、
 その湖に、たどり着きました。
 
 ところが、
 その湖を見た感じが、
 すこし、ハートレイクと、違う感じがします。
 
 そして、なにより、
 その裏側にあるはずの、
 もう一つの、「小さなハートレイク」が、
 まったく、ある気配がありません。
 
 そして、
 その、「小さなハートレイク」の横を通って、
 その裏山の頂上まで登っていけるルートがあるはずですが、
 それも、まったく、見当たりません。
 
  「おかしいなぁ ...
   ちょっと、見てくる」
 
 また、僕一人で、
 探索に行きました。
 
 
 藪の中に、
 人の通った形跡のある、
 「獣道」のような細い筋が見られ、
 そこを、強引に、進んでいきました。
 
 「小さなハートレイク」は、見当たりませんが、
 とにかく、裏側の高台に上がって、
 そこから、見下ろし、探そうとしました。
 
 高台から、その湖を見ると、
 明らかに、
 それは、ハートレイクでは、ありませんでした ...
 
 そこで改めて、地図を見た結果、
 それは、
  " Little Castle Lake "
 であることが、分かりました ...
 
 
 しかし、上から見ると、
 この湖(池)も、
 ハート型をしていました。


 
 そこで、
 みなの元に戻った僕は、
 写真を見せながら、
 悔しさと、申し訳なさから、
 こう言いました。
 
  「ごめん、これ、ハートレイクじゃなかった。
   でも、別の『ハートレイク』だったよ。」
 
 子どもたちは、
 それを、『別のハートレイク』と呼ぶことに、
 納得しました。
 
  「ほとんどの人は、ここにはこないから、
   『このハートレイク』は、見られないんだよ。
   だから、ラッキーだったね!」
 と、
 僕は、言いました。
 
 子どもたちは、
 それを、受け入れてくれました。
 
 そして、
 がんばって、
 帰り道を、きつい登り坂を、
 歩いてくれました。
 
 裕子さんは、
 その会話を、黙って聞いていました。
 
 そして、
 お花畑のような草原を、後にしました。


 
 
 このようなわけで、
 僕たちの「ハートレイク探索」は、
 見事、失敗しました。
 
 帰路の途中、
 もう一度、ハートレイクを探すことは、
 体力的にも、時間的にも、
 無理でした。
 
 キャッスルレイクに戻ったときには、
 もう、完全に、夕方になっていました。


 
  「僕のハートが、綺麗でなくて、
   たどり着けなかった ... 」
 という、
 沈んだ気分で、一杯でした。
 
 でも、
 こどもたちは、
 さほど、残念がっていませんでした。
 
 後から聞いたところによると、
 それは、「『別の』ハートレイクを見つけた」という、
 成功だったのだと、認識していたみたいです ^^;
 
 そんなわけで、
 こどもの気分が、沈んでいなかったことと、
 
 午前中には、マクラウド滝で泳ぎ、
 午後には、キャッスルレイクで泳ぎ、
 とても楽しい時間を過ごすことができたことを、
 思い出すことができたこととで、
 
 残念な気持ちを吹き払って、
 気分を入れ替え、
 また、高いテンションに戻って、
 キャッスルレイクを後にすることができました。