2016年8月10日水曜日

2016アメリカ旅行5 グランドキャニオン


 『一般的』な旅行としたら、
 今回の、アメリカ旅行の、
 最大の目玉は、
 
  グランドキャニオン
 
 ということに、なるでしょう。
 
 
 その、雄大な光景。
 
 その、造形が創り出されるにあたって、
 どれほど、膨大な年月が積み重ねられたかが、
 一目瞭然な、その、特異な形状。
 
 また、独特な色合い。
 
 どこまでも、ユニークな、
 その場所は、
 
 世界中から、
 人々を惹き付けて止まないようで、
 
 シーズン中は、ホテルを取ることは、困難、
 園内に入るにも、渋滞となります
 (グランドキャニオンは、国立公園です)。
 
 僕たちが訪れた、日暮れ時になっても、
 ビューポイントには、
 実に多くの人々が、
 騒がしく、その場を埋めていました。
 
 
 いえ、
 夕暮れ時こそが、
 一番人気の高い時間帯なのでしょう。
 
 僕たちも、その時間を狙って、訪れましたので、
 混み合っているのは、
 実際のところは、当然なのかもしれません。
 
 
 ルート66( I-40 )から離れること、
 約1時間。
 
 低木がわずかに生える、乾燥地帯だった、
 ルート66沿いから、北上していくと、
 
 北上するにつれ、
 徐々に、草木が増していき、
 
 グランドキャニオン近くになると、
 高木の生える、林の中を進んでいくことになります。
 
 いわゆる「グランドキャニオン」のイメージからすると、
 ちょっと、違和感のある、その光景の中を、
 さらにそのまま、進んでいくと、
 
 また徐々にふたたび、
 空が広くなっていき、
 見晴らしが利くようになっていき、
 
 ビューポイント近くの、
 駐車場に着くときには、
 
 もう、見るからに、
 触れる空気、吸う空気からも、
 
 「そこ」が、目前であることを、
 体感するようになります。
 
 
 5時間以上のドライブの果てに、
 僕たちが、そこに、たどり着いたときには、
 
 まだ、
 夕焼けは、始まっていませんでした。
 
 ギリギリ、
 「希望の時間帯」に、間に合った感じでした。
 
 余裕があれば、
 もう少し早く着いて、
 
 買い物をしたり、
 いくつかのビューポイントからの眺めを、楽しんだりと、
 したかったのですが、
 
 実質「初日」の、
 ロングドライブの後、でしたので、
 
 これでも、
 充分でした。
 
 ポイントとしては、1カ所だけになりますが、
 
 でも、そこから、
 日の暮れ行く様子を、
 
 それによって、
 色を、表情を、変えゆく、
 深く多彩に、削り刻まれた大地の様子を、
 
 じっくりと、眺めることにしました。
 
 
 はじめは、白さの残った、
 空気と大地でしたが、


 
 瞬間を深めるごとに、
 徐々に、徐々に、
 赤さを、黄色さを、
 加え、増していきます。


 
 陽ざしの弱まりとともに、
 変わりゆくのは、
 色合いだけではなく、
 
 蒸気も、
 粒を大きくし、集まりを強固にし、
 
 靄(もや)も、
 徐々に、濃く、くっきりと、
 その存在を深めていきます。
 
 結果、それは、
 まるで、流れるスクリーンのように、
 陽光を受け止め、
 
 西の空は、
 黒と黄金の、
 二色のコントラストを、
 
 揺れ、漂いながら、
 深め、強めていきます。



 そのとき、
 一部の人々の、ざわめきから、
 ピンと来ました。
 
 後方、東の空に、
 目を向けました。
 
 そこには、
 淡い赤い膜を、一枚、
 顔や背中に貼付けた人々の、その奥に、
 
 短いながら、鮮やかな、
 直立の虹が、
 くっきりと、お出ましていました。

(この写真では、2本、出ていますね ^^ )

 
 その後、
 背後に、虹をもたらしてくれた、
 水の粒たちは、
 
 突如、
 わたしたちの頭上からも、姿を現し、
 
 叩き付けるように、
 容赦なく、
 大地とともに、その上にたたずんでいた人々にも、
 降り注ぎました。
 
 悲鳴を上げて、屋根ある場所へと、逃げ走る、
 みなの表情は、
 
 わたしたちと同様に、
 
  「困った」「やられた」
 といった風ではなく、
 
 想定以上の光景を見られた満足感に、
 ゆるみ、ふやけていました。