2016年12月9日金曜日
2016アメリカ旅行28 シャスタ3日目 スウェットロッジ
プルートケイブを後にし、
急ぎ、車を走らせました。
もう一度、
ウィードまで戻り、
しかし、街中へは入らずに、
高速道路を、さらに、北上、
すぐに、出口を降りて、
牧場地帯を、しばらく、走ります。
道を折れ、
山の中へ入って行くと、
比較的すぐに、
木製の橋が見え、
車が多数、停められている場所が見えました。
スチュワートミネラルスプリングス( Stewart Mineral Springs )、
シャスタの、温泉施設です。
ここに来たのは、
温泉に入るためでは、ありません。
この日、
2016年7月30日は、
土曜日。
毎週、土曜日の、夕方には、
ここで、
スウェットロッジ( Sweat Lodge )が、行われます。
それに、参加するためでした。
スウェットロッジは、
アメリカ先住民に、広く、伝わっている、
儀式の一つで、
ドーム上に組まれた骨組みの上に、
布をかぶせた、テントの中に、
焼いた石を持ち込み、
それに、水をかけることで、
熱と蒸気によって、発汗を促し、
汗とともに、
「身体・心・魂」の毒素を、排出させる、
浄化の儀式のようです。
詳しくは、
こちら の、ストーニーブルックインさんの、
スウェットロッジの解説を、お読みください。
意図せずに、組んだスケジュールから、
自然と、参加できる流れになったことから、
当初は、
より興味のある、
裕子さんが、
この儀式に、参加する予定でした
(子どもたちが居たので、
二人での参加は、自粛しました)。
ところが、
身体的・規約的な理由により、
急遽、僕が、参加する流れになりました。
バーシングケーブで、
セドナにおける、「再誕生」「浄化」の行為を、
行っていたことから、
シャスタにおける、「浄化」の儀式には、
できれば参加したいと、はじめから、思っていました。
ただ、
とは言え、
こだわるほどの、強い気持ちも無かったので、
当初は、裕子さんに譲るつもりでいました。
ところが、
流れから、
僕が、参加することになりました。
先の、プルートケイブで、
個人的には、いま一つ、
しっかりとした「何か」が、できていなかった感じもあり、
僕は、
ただ、その流れを、
受け取り・受け入れ、
素直に、参加させていただくことにしました。
参加費用は、
ドネーション(寄付)とのこと。
そこで、僕は、
目安として紹介されていた、35ドルを、寄付しました。
僕らが、会場に到着したときには、
もうすでに、たくさんの参加者が、
大きな焚き火の周りに、集っていて、
地元の部族の方々が、
石を焼いたり、
太鼓や楽器で、音楽を奏でていました。
神聖な儀式ゆえ、
写真撮影ができませんでしたので、
その様子をご覧いただけず、残念です。
始まる前に、
参加者は、みな、
「刻みタバコ」を、火にくべました。
そして、
ロッジの中へ。
この日は、
おそらく、目算で、
30名ほどの人々が、参加していました。
中では、すべて、「左回り」に動くのだそうで、
みな、左回りに、ロッジの奥に、入って行きます。
みなが入るには、
二重になる必要がありました。
横との距離も、かなり、緊密です。
中央部に、
焼いた石を運び込むスペースがあり、
みな、そちらを向いて、
腰を下ろします。
全員が座れたところで、
リーダー・主催である、
「メディスンマン」が、座に着き、
そして、石が運び込まれます。
入り口から差し込む光を除いて、
真っ暗な状態。
その中、
赤く焼かれた石が、次々と、
フォークに載せて、運ばれてきます。
急激に、ロッジ内の温度が上がります。
10個ほどだったでしょうか?
かなりの数の石が、運び込まれ、
そこで、入り口も、布で塞がれます。
いよいよ、スタートです。
メディスンマンが、
参加者に対して、
いろいろな「話」を始めました。
と同時に、
石に、水がかけられます。
大きな音が聞こえ、
同時に、
大量の蒸気が発生したことが、
感じられました。
急激に、湿度が上がり、
暑さに、重さ・圧力が、加わります。
それが、
徐々に、加速して行きます。
温度、湿度は、
かなりになります。
ふだん、旅先などで、
「ドライサウナ」や「ミストサウナ」などに、
入ることがありますが、
「真っ暗」であることも加わり、
それらよりも、
かなり強い刺激を、短時間に、与えられます。
メディスンマンの話も、
さらに、進んで行きます。
ここからが、
これまで以上に、
僕の個人的な体験・感想ですが、
それが、
『僕には』、
何か、とても「重く」感じられました。
『その重さ』が、
『僕にとっては』、
どうしても、
「意識」を、「肉体レベル」に、固着し続けました。
「意識」が、
「下へ下へ」「低く低く」、定着させられました。
『僕の場合には』、
「身体」へのフォーカスが深まり過ぎて、
「精神」「魂」の浄化へとは、
進んで行かないようでした。
まだ、僕は、
「その時」では、ないのでしょう。
「準備」が、できていないのでしょう ...
儀式そのものは、
60分間だそうで、
その間、
15分おきに、
新たな、熱い石が、運び込まれ、
その際に、
入り口が、開けられます。
基本的には、
それ以外には、入り口は、閉められています。
途中で出るならば、
その、タイミングになります。
僕は、
2回目に開けられたときに、
外に出ました。
そして、
再び、入ることはできませんでした。
ということは、
僕には、
30分が、限度でした。
30分で、ギブアップでした。
ほとんどの方々は、
60分間、入っていらっしゃいました。
みなさん、
準備ができていらっしゃったのですね。
終わられた後、
一様に、清々しいような、
満足したような、納得したような、
そんな表情を、携えていらっしゃいました。
スウェットロッジの建てられた場所の横には、
細いながら、清らかな水が、絶えず流れる、
清流が、ありました。
僕は、出てすぐ、
そこに、身を浸しました。
浅瀬に、身を、横たえました。
切れるように冷たい水が、
身体に、新たな感覚を、もたらします。
しかし、
その時の僕には、
その「感覚」が、
薄い布を、一枚隔てた、向こうにあるようにしか、
感じられず、
『僕には』、
全体が、
あくまでも、すっきりとしない、
なにか、リアリティの薄いような、
特異な体験と、なってしまいました ...
ただ、
そこを離れ、
宿泊地である、シャスタシティに向かう道程では、
雲を被ったマウントシャスタと、
その横に、ちょこんと座った、ブラックビュートとが、
見え続けていました。
そして、
シャスタシティに着くと、
マウントシャスタは、
夕暮れ時に、美しさを増し、
夕日は、
今まで居た方角から、
力強い輝きを、放射していました。
個人的には、
その一連の出来事を、
結果、肯定的に、捉えました。